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【管理者向け】「工場 熱中症対策」ギモン解決BOOK ~Ne-Ketsu(ネッケツ)~ » 酷暑の職場は要注意!熱中症の基礎知識 » 熱中症リスクアセスメントとは?

熱中症リスクアセスメントとは?

工場では、屋外作業だけでなく、炉・ボイラー・乾燥機の周辺、空調が効きにくい大型建屋、湿度が高い工程などでも熱中症が発生するおそれがあります。特に夏場は、気温だけでなく作業負荷や服装、休憩の取りやすさによってもリスクが大きく変わります。

熱中症リスクアセスメントとは、作業場所や作業内容に潜む熱中症の危険要因を洗い出し、リスクの大きさを評価したうえで、必要な対策を決める取り組みです。「暑いから注意する」という感覚的な対策ではなく、現場ごとにリスクを見える化し、優先順位をつけて対策することが目的です。

目次

熱中症リスクアセスメントで確認する主な項目

熱中症リスクは、WBGTや気温だけで判断するのではなく、作業内容や服装、作業者の状態などを総合的に見て評価する必要があります。工場責任者が確認すべき主な項目は、次のとおりです。

評価項目 確認する内容
暑熱環境 WBGT、気温、湿度、輻射熱、風通し、熱源の有無
作業強度 重量物運搬、反復作業、移動距離、連続作業時間
服装・保護具 防護服、長袖作業着、マスク、手袋、ヘルメットなどの着用
作業者の状態 暑熱順化、睡眠不足、体調不良、高年齢者、持病の有無
管理体制 休憩場所、飲水環境、巡視、報告ルート、緊急時対応

たとえば、同じ工場内でも、空調の効いた検査室と、炉前作業や屋外荷受け作業ではリスクが異なります。また、同じ温度でも、防護服を着ている作業者と、通気性の高い作業服を着ている作業者では身体への負担が変わります。

そのため、熱中症リスクアセスメントでは、「どの場所で」「どの作業を」「どのような装備で」「どのくらいの時間行うのか」まで確認することが重要です。

工場で熱中症リスクが高くなりやすい場面

工場では、屋内であっても熱中症リスクが高まる場面があります。特に次のような場所や作業では、優先的にリスクを確認しましょう。

  • 炉・ボイラー・乾燥機・成形機など、熱源の近くで行う作業
  • 空調が届きにくい大型建屋、倉庫、出荷場での作業
  • 蒸気や洗浄水を使う、高湿度になりやすい工程
  • 防護服、マスク、手袋、保護メガネなどを長時間着用する作業
  • 重量物運搬、材料投入、反復動作など身体負荷が高い作業

特に注意したいのは、「屋内だから安全」と判断してしまうことです。工場内でも、熱源・湿度・空調不良・保護具・重作業が重なると、熱中症リスクは高くなります。現場ごとにWBGTを測定し、作業者が実際に立つ場所で暑さを確認することが大切です。

WBGTを使ったリスク評価のポイント

WBGTは「暑さ指数」とも呼ばれ、気温、湿度、輻射熱、風の影響を踏まえて熱中症リスクを判断するための指標です。気温だけでは、湿度の高さや熱源からの輻射熱を十分に把握できないため、工場の熱中症対策ではWBGTの確認が有効です。

WBGTを測定したい場所

  • 炉前、ボイラー周辺、乾燥機周辺
  • 空調が効きにくい製造ライン
  • 倉庫、出荷場、荷受け場
  • 蒸気や高湿度が発生する場所
  • 直射日光や照り返しを受ける屋外作業場所

ただし、WBGTだけで判断するのは十分ではありません。同じWBGTでも、軽作業と重量物運搬では身体への負担が異なります。また、防護服や保護具を着用している場合は、熱がこもりやすくなります。

そのため、WBGTに加えて、作業強度・服装・連続作業時間・休憩の取りやすさを合わせて評価することが重要です。

熱中症リスクアセスメントの進め方

工場で熱中症リスクアセスメントを実施する際は、次の流れで進めると整理しやすくなります。

  • 作業場所、熱源、空調、湿度、日射などを洗い出す
  • 作業者が実際に作業する場所でWBGTを測定する
  • 重量物運搬、反復動作、連続作業時間など作業強度を確認する
  • 作業服、防護服、保護具による熱のこもりやすさを確認する
  • 睡眠不足、体調不良、暑熱順化の有無など作業者の状態を確認する
  • リスクが高い作業から優先して対策を決める
  • 測定結果、判断内容、実施した対策を記録する

評価結果は、記録して終わりではなく、翌日の作業計画や休憩ルール、設備改善に反映することが大切です。「誰が、いつ、何を実施するのか」まで決めることで、現場で機能する対策になります

工場で優先したい熱中症対策

熱中症リスクが高いと判断された場合は、作業者の注意力だけに頼らず、環境や作業方法を見直すことが重要です。

作業環境を改善する

熱源の遮熱・断熱、換気の改善、スポットクーラーや送風機の設置、休憩場所の冷房化などを検討します。作業者が暑さに耐える前提ではなく、まず環境側のリスクを下げることが基本です。

作業時間と人員配置を見直す

暑い時間帯の作業を避ける、作業時間を短縮する、ローテーションを組む、身体負荷の高い作業を分散するなどの対策が有効です。ライン作業では、休憩のために交替できる人員を確保することも重要です。

体調確認と報告体制を整える

作業前には、睡眠不足、食事抜き、発熱、下痢、二日酔いなどがないかを確認します。また、作業中に異変を感じた場合や、周囲の作業者に異常が見られた場合に、すぐ報告できる体制を整えましょう。

2025年6月施行の熱中症対策義務化で必要な対応

2025年6月1日から、職場における熱中症対策が強化されています。対象となるのは、WBGT28度以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業です。

工場責任者は、熱中症のおそれがある作業について、次の対応を整える必要があります。

  • 体調不良者を早期に把握するための報告体制を整備する
  • 作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送などの手順を決める
  • 緊急連絡先や搬送先を確認する
  • 作業者、班長、管理者に対応手順を周知する

体制や手順を作るだけでなく、朝礼や掲示、教育資料などで作業者に周知し、実際に使える状態にしておくことが重要です。

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まとめ

熱中症リスクアセスメントは、工場内の暑熱環境や作業負荷を確認し、熱中症リスクを見える化するための取り組みです。

工場では、屋内であっても、熱源、高湿度、空調不良、保護具、重作業などによってリスクが高まります。WBGTだけでなく、作業強度、服装、作業者の状態、休憩や報告体制まで含めて総合的に評価することが重要です。

評価結果は、休憩ルール、作業時間の短縮、ローテーション、設備改善、緊急時対応に反映しましょう。熱中症対策を作業者任せにせず、工場全体の仕組みとして管理することが、重症化を防ぐためのポイントです。

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取材協力 株式会社鎌倉製作所 COOLEX事業部
独自のチラー水冷式身体冷却システム

「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。


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