一口に「工場」といっても、業種によって業務内容や作業環境はさまざまです。熱中症を予防するなら、その工場の課題をしっかり把握した上で、適切な対策をとりましょう。ここでは、化学工場におすすめの熱中症対策と、実際の対策事例をご紹介します。
化学工場ではさまざまな機械が作動し、重量のあるものや化学物質など、一歩間違えば重大な事故につながりかねないものが多数あります。工場内は衛生管理や温度管理が徹底されており、直射日光や室温の高さによる熱中症が起こる可能性はあまりないかもしれません。
しかし、防護服やマスクを使用して作業する場合に熱がこもりやすい、あるいは、 薬品に影響を与えるためあまり送風ができない・窓を開けられないなど、さまざまな熱中症の発症リスクを抱えています。 化学工場で熱中症を予防するためには、こうした状況を踏まえてこまめに休憩時間をとる、作業員の体調管理を徹底する、風が発生しない空調設備を導入するなど、対策を行わなくてはなりません。
風が発生しない冷却システム
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化学工場での熱中症対策は、労働者の安全と生産性を守るために欠かせません。まず、職場環境の温度管理が重要です。換気システムの改善やスポットクーラーの設置を通じて、作業エリアの温度を適切に保ちましょう。次に、水分補給の推奨が求められます。従業員には定期的な水分補給を促すほか、塩分やミネラルを含む飲料の提供も有効です。休憩時間には冷却スペースを設け、体をリフレッシュできる環境を整えます。
また、従業員の教育と意識向上も欠かせないポイントです。熱中症の症状や予防策についての研修を実施し、早期に異変を察知できるスキルを身につけてもらいましょう。さらに、個人保護具の見直しも重要です。通気性の良い作業服や冷却ベストの導入により、身体への熱負荷を減らせます。最後に、従業員の健康状態をモニタリングし、異常を早期に発見する体制を整えることが大切です。これらの対策を総合的に取り入れることで、化学工場における熱中症リスクを大幅に低減することができます。
主な熱中症対策の中で、上記のような課題を抱える化学工場に向いている設備やウェアはどれなのか、リサーチしてみました。
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熱中症対策におすすめの
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種類 | 冷却効果 | 化学工場に向きor不向き? | |
設備 |
全体空調・大型エアコン |
20~45℃ |
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ゾーン空調 |
20~45℃ |
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スポットクーラー |
25~55℃ |
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ミストファン |
20~40℃ |
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冷風扇・冷風機 |
20~40℃ |
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チラー水冷式身体冷却システム |
25~55℃ |
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ウェア |
保冷材・ドライアイス付きウェア |
20~55℃ |
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ファン付き作業服 |
20~40℃ |
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氷水式ウェア |
20~40℃ |
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化学工場では、防護服やマスクなどを着用して作業を行う現場があります。また、化学物質などによっても異なりますが、中には、風によって影響を受けてしまう薬品もあるようです。このため、化学工場における熱中症対策では、作業者個人に対して、風が発生しない空調設備を導入するのがおすすめです。
チラー水冷式身体冷却システムなら、チラーで作った冷水をウェア内のチューブに循環させるだけなので、室内へ排気や排熱を行う必要がありません。また、ファンでウェアが膨らまず作業しやすい上、防護服を着ていても、作業者個人をピンポイントに冷やすことが可能。外気温の影響を受けることなく、40~45℃の環境下でも10℃の冷水を作り出せるため、今まであきらめていた酷暑現場でも確かな冷却効果を実感することができるでしょう。
ここでは化学工場の中で、実際に熱中症対策に成功した例をいくつかピックアップ。チラー水冷式身体冷却システムを導入している鎌倉製作所COOLEXの事例を一部ご紹介します。
輻射熱を常に受ける作業であること、さらに、屋根からの熱と建屋上部に溜まった熱だまりの影響もあり、夏場の作業場の温度は40℃を超えていました。保冷材ベストを試したものの、保冷材の管理が手間であること、持続時間が短いことから採用しませんでした。COOLEXは上半身がしっかり冷えるなど、身体への冷却効果を感じています。ベテラン社員が多いため、新しい設備が使用されにくいこともありますが、一方ではCOOLEXを好んで使用する作業者もいるので、職場の中で新しいものを使う雰囲気が波及することを期待しています。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/株式会社三宝化学研究所-堺工場-様 /)
塗料製造の仕込み作業現場は、夏場の作業温度が40℃まで上昇します。工場扇やスポットエアコンを使用しても、周囲温度が暑いため、熱風がきたり風の届く範囲が限られていたり、効果は限定的でした。また防爆区域のため空調服は使用できず、保冷材冷却ベストは持続時間に問題があり、熱中症対策に悩んでいました。COOLEXを導入したことで、「身体が冷え作業がしやすくなった」「身体が楽になった」「汗をかくのが少なくなった」など現場からの声があり、熱中症対策として効果を感じています。今後は他の作業ラインでも検討していきたいと考えています。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/アトミクス株式会社-加須工場-様 /)
引用元:鎌倉製作所【公式】YOUTUBE
(https://www.youtube.com/watch?v=E-qiC7LbQHM)
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~10人(※1台あたり) |
作業範囲 | 50~70m |
適用温度 | 10~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 制限無し |
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径10~20m |
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径4~8m |
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。