工場内の熱中症対策には、チラー水冷式身体冷却システムを導入するもの一つの手段。ここでは、チラー水冷式身体冷却システムのメリット・デメリットや、主な製品、導入事例などをご紹介します。
チラーとは、冷却器に水を循環させながら機器や製品を冷やす装置のこと。チラー水冷式身体冷却システムとは、モバイルチラーで作った冷水をウェア内のチューブに循環させることで、作業者の身体を効率的に冷却するシステムのことを言います。 非常に高い冷却効果を持ち、40~45℃の環境下でも10℃の冷水を作り出すことが可能です。室内への排気や排熱もないことから、今まで対策を諦めていた酷暑現場でも、確かな冷却効果を実感することができます。
チラーと接続した専用ウェア内で冷水を循環させ、作業者のみを直接冷やすクールウェアです。大型チラーから配管することで、1台で10名まで同時に冷却することが可能。オーダーメイドで現場に合わせた配置設計が行えます。
チラー電源 | AC200V 3φ-50/60Hz |
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定格消費電力(※1) | 4.3/3.9kW |
使用周囲空気温度範囲 | 25~40℃ |
使用周囲空気湿度範囲 | 85% RH 以下 |
製品寸法(高さ×幅×奥行)(※2) | 1600㎜×960㎜×740㎜ |
設定温度範囲 | 8~25℃ |
製品使用時重量 | 350kg(水槽100ℓ) |
ウェア標準タイプ(Lサイズ)の使用時重量 | 940(g) |
※1.定格温度条件:周囲空気温度32℃ 冷水出口温度20℃
※2.取手などの突起物は含まない
IP55等級の防塵・防水仕様で、超酷暑環境でもたしかな冷却効果が感じられます。溶接や塗装など、粉塵が発生し、風を嫌う現場でも使用することが可能です。袖無し脇冷却タイプや難燃素材タイプなど3タイプをラインナップしています。
チラー電源 | AC100V-50/60Hz(チラー本体はDC24V) |
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定格消費電力(※1) | 240W |
使用周囲空気温度範囲 | 25〜55℃ |
使用周囲空気湿度範囲 | 85% RH 以下 |
製品寸法(高さ×幅×奥行)(※2) | 373㎜×313㎜×300㎜ |
設定温度範囲 | 5~20℃ |
製品使用時重量 | 15.6kg |
ACアダプタ | AC100V電源(漏電保護プラグ付)→DC24V |
ウェア標準タイプ(Lサイズ)の使用時重量 | 940(g) |
※1.定格温度条件:周囲空気温度50℃ 冷水出口温度10℃
※2.取手などの突起物は含まない
※3.プラグは非防水
作業範囲半径4~8mの1人向けタイプのクールウェアです。小型チラーで持ち運びが可能。周囲温度40~50℃の酷暑現場において、空間ではなく、対策が必要な作業者だけをピンポイントで冷却してくれます。風を嫌う作業場にもおすすめです。
チラー電源 | AC100V-50/60Hz(ミニチラー本体はDC24V) |
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定格消費電力 | 180W |
使用周囲空気温度範囲 | 25℃〜50℃ |
使用周囲空気湿度範囲 | 85% RH 以下 |
製品寸法(高さ×幅×奥行) | 200㎜×200㎜×275㎜ |
設定温度範囲 | 7~20℃ |
製品使用時重量 | 7.7kg |
ACアダプタ | AC100V電源(漏電保護プラグ付)→DC24V |
ウェア標準タイプ(Lサイズ)の使用時重量 | 940(g) |
※1.定格温度条件:周囲空気温度45℃ 、冷水出口温度10℃
※2.取手などの突起物は含まない
チラーで作った冷水をウェア内で循環させ、作業員の身体を直接冷却するチラー水冷式身体冷却システム。周囲温度の影響を受けにくく、作業者の身体だけを効率的に冷やすことが可能です。 導入実績で特に多いのが鉄鋼関連の現場で、ファン付きウェアでは効果がなかった、火を使用しているため風の出る機器は避けたい、といった理由で選ばれています。
また、製品を冷やさず人だけを冷やしたい現場、防護服・マスク着⽤時の熱中症対策をしたい現場、熱中症対策の機器の少なさに悩む防爆工場などにもおすすめです。 こちらのページでは、適用温度や接続時間、大・中・小の空間ごとに適した製品を紹介していますので、自社の工場にあった熱中症対策をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。