熱中症も、他の疾病と同様に労災認定される可能性があります。ここでは、工場での仕事中に熱中症になった場合の労災の扱いについてご紹介します。
工場での作業中に起こった熱中症は、労災認定の対象になります。ただし、業務中の熱中症が全て労災の対象になるわけではありません。
労働基準法施行規則別表第1の2第2号8では、「暑熱な場所における業務による熱中症」が業務上の疾病であると規定しています。「暑熱な場所」とは、職場が生活環境よりも暑い、あるいは身体負荷が高い場所のこと。その中で業務に従事することで体温が上昇して、熱中症になりやすい場所のことを言うようです。
つまり、労災の対象になる熱中症は、熱中症が起きやすい「暑熱な場所」での業務に起因するもの、ということになります。
仕事中に起こった熱中症が労災として認定されるためには、以下の「一般的認容要件」と「医学的診断要件」を満たす必要があります。内容は以下の通りです。
二つの要件に該当していると判断された場合に、労災認定を受けることができます。労災認定を受けることで、療養補償や休業補償などを受け取ることが可能です。 業務とは関係のない、従業員側の個人的な事情(寝不足など)により熱中症になった場合は労災認定されません。
厚生労働省では、職場の安全活動の取り組みを活性化するため、「職場のあんぜんサイト」※を運営し、情報提供を行っています。サイトの「労働災害事例」というページにアクセスし、「製造業」「畜産・水産業」などの業種を選び、キーワード欄に「熱中症」と打ち込んで検索すると、各業種の熱中症事例をチェックすることができます。
実際に起きた熱中症について、状況、原因、対策などがそれぞれ記載がされているので、工場の熱中症対策を行う際にはぜひ参考にしてみてください。
参考サイト:「職場のあんぜんサイト」
(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_FND.aspx)
工場での作業中に起こった熱中症は、いくつかの要件に該当していると判断されれば、労災として認定されます。労災認定を受けることで、療養補償や休業補償などを受け取れますが、業務とは関係のない、従業員側の個人的な事情(寝不足など)により熱中症になった場合は労災認定されません。
熱中症被害を出さないためには、企業として職場環境の管理を徹底し、従業員の安全を確保することが大切です。こちらのページでは、工場ごとの熱中症対策や、実際に導入された対策の事例を紹介しています。熱中症対策でお困りの方は、ぜひチェックしてみてください。
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