鉄鋼業では様々な大型機械や金属製の重量物を取り扱っており、また溶接作業や金型作業など高熱の物質や器具を扱う機会も少なくありません。そのため天井エアコンからの冷却といった室内の空調システムだけで作業場全体の環境を改善しようとしても、現実的に高温・高熱に近い場所で作業している従業員の過酷さを解決することは難しくなります。
また、さらに作業内容によっては防護服など分厚い装備を着用しなければならず、一層に熱がこもりやすく熱中症リスクが増大してしまうこともポイントです。
そのため鉄鋼業における熱中症対策としては、個々の作業員に対して効率的かつダイレクトに冷却効果を得られるアイデアが求められます。
主な熱中症対策の中で、上記のような課題を抱える鉄鋼業エリアに向いている設備やウェアはどれなのか、リサーチしてみました。
種類 | 冷却効果 | 鉄鋼業に向きor不向き? | |
設備 |
全体空調・大型エアコン |
20~45℃ |
![]()
|
ゾーン空調 |
20~45℃ |
![]()
|
|
スポットクーラー |
25~55℃ |
![]()
|
|
ミストファン |
20~40℃ |
![]()
|
|
冷風扇・冷風機 |
20~40℃ |
![]()
|
|
チラー水冷式身体冷却システム |
25~55℃ |
![]()
|
|
ウェア |
保冷材・ドライアイス付きウェア |
20~55℃ |
![]()
|
ファン付き作業服 |
20~40℃ |
![]()
|
|
氷水式ウェア |
20~40℃ |
![]()
|
鉄鋼業では大型機械によって熱せられた大型の鉄製品などを取り扱うことも多く、エアコンなどの空調設備で室内を冷やそうとしても実際に作業へ従事している作業員にとっては高温で過酷な労働環境になってしまうケースが少なくありません。しかし、そのような状況下でも作業員をピンポイントで冷やして作業環境の改善を目指せるチラー水冷式身体冷却システムは、物理的な制限や大規模な回収コストといった課題をクリアしながら、冷却効果を期待できる対策として効果的です。
日本製鉄株式会社東日本製鉄所では、高温の熱片スラブから発せられる熱気によって作業場の室温が上昇し、場合によっては外気温を上回る過酷な労働環境になっていました。そのため作業員から環境改善を訴える声が上がっていましたが、大規模な設備投資を行う余裕はなく困難な状況が続いていました。
そのような時にCOOLEXを導入したところ、作業性について改善の余地があったものの冷却性に関しては明確な効果が認められ、作業員からの暑さに対する意見も解消されたそうです。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/日本製鉄株式会社-東日本製鉄所-鹿島地区-様%e3%80%80/)
COOLEX-V151B/152の導入により、株式会社山崎機械製作所では1200℃の熱間鍛造物を扱うフォークリフト業務中の作業者が直面する高温環境下での熱中症リスクを軽減しました。冷却シートによる背中・太もも裏への冷却効果が効果的に作業環境を改善し、熱中症を発生させずに夏を乗り切ることができました。長時間の使用に対応するための電源供給体制も確立して、作業効率の向上にも寄与しています。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/株式会社山崎機械製作所-様 /)
COOLEX-V151B/152の導入により、愛知製鋼株式会社知多工場において、取鍋耐火物の交換作業を行う製鋼工場の過酷な環境での熱中症リスクが軽減されました。お尻・太もも裏に冷却効果が実感できて、作業者の快適性が向上。振動対策が施されたチラーであるため不具合なく使用できており、作業効率の向上にも貢献しています。小型で持ち運びもできるため、フォークリフトや天井クレーン作業にも活用できるか検討しているそうです。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/愛知製鋼株式会社-知多工場-様/)
スラグ搬送を行う電車に設置している、溶滓鍋の亀裂補修作業を行う現場での事例です。風が通らない鍋の中での作業のため、溶接の熱も伴い暑さが過酷な作業場でした。新しい熱中症対策商品として紹介されたCOOLEXのデモを1週間実施したところ、作業性と冷却効果を確認できたため導入を決定しました。 身体を継続的に冷やせると作業者から高評価で、特に夏場の作業時に重宝しています。接続ホースの太さや脱着などが改善されれば、さらに快適に使用できそうです。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/富士栄工業株式会社(日鉄日新製鋼㈱呉製鉄所様/)
金属の切断作業は火花が飛び散るため、肌着や難燃・非溶融性素材の作業着を着用しなくてはならず、夏場は特に過酷な環境でした。鉄くず切断など屋外での作業は切断作業の熱以外にも直射日光による影響があるため熱中症対策に取り組んでいましたが、粉塵や火花を巻き込む危険性から風を使う商品では対策できませんでした。COOLEXは風を発生させずに冷却できると知り、導入を決定。冷却効果は良好で、2か月連続で運転して耐久性があることも確認されました。屋外作業では、ホースが地面に這わない工夫をして使用しています。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/産業振興株式会社-様/)
ガス切断で発生する熱を常に受ける、過酷な作業現場での導入事例です。作業を増やしたい中で、作業性を低下させないために環境改善に取り組んでいたところ、COOLEXを知りデモ機を借りてテストしたところ快適だったため、本格的な導入を決定しました。 特に首まわりの冷却を実感しており、熱中症対策として十分な効果を得られました。作業者からは、冬場対策も兼ねた機能も追加して欲しいとの要望も出ています。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/株式会社中山製鋼所-様/)
アルミ溶解や加工など、金型を補修する現場での導入事例です。ミスト式や空調服、送風機などでは効果は得られないと知りつつも、作業時間が長くないので対策が後回しになっていました。フォークリフトの作業現場からも要望があったため、各部署の担当者が実際にCOOLEXを体感し、現場に合わせてウエアタイプ、シートタイプの導入をそれぞれ決定しました。 暑さに慣れてしまっている作業員の中には当初「不要だ」という声もありましたが、装着した瞬間に笑顔になり喜んで使っています。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/株式会社神戸製鋼所-長府製造所-様/)
引用元:鎌倉製作所【公式】YOUTUBE
(https://www.youtube.com/watch?v=E-qiC7LbQHM)
適用温度 | 25~50℃ |
---|---|
使用人数 | 1~10人(※1台あたり) |
作業範囲 | 50~70m |
適用温度 | 10~50℃ |
---|---|
使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 制限無し |
適用温度 | 25~50℃ |
---|---|
使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径10~20m |
適用温度 | 25~50℃ |
---|---|
使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径4~8m |
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。