従業員が快適に作業を行うために欠かせない暑さ対策・熱中症対策。ここでは、酷暑工場の熱中症対策におすすめの服・ウェアを編集部がピックアップしてご紹介します。
適用温度の目安 | 約25~50℃ |
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持続時間 | 30分~2時間(保冷剤次第) |
対応範囲 | 小空間(個人) |
保冷材・ドライアイス付きウェアとは、脇や背中などに「保冷剤を入れられるポケット」が付いたウェアのことです。一般的にはメッシュベスト型で、ポケットに凍らせた保冷剤を入れて着用します。 熱のこもりやすい部位をピンポイントに冷やせるので、炎天下や、室温の高い施設内での熱中症対策としておすすめです。 単独で着用するのはもちろん、空調服のインナーとして着用する方法も。相乗効果で空調服をさらに快適に着用することができます。 こちらのページは、保冷材・ドライアイス付きウェアのメリット・デメリットや、主な製品などをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
適用温度の目安 | 約25~33℃ |
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持続時間 | 最長8時間(バッテリー第) |
対応範囲 | 小空間(個人) |
ファン付き空調服とは、小型ファンが内蔵された作業着のことです。ファンが服の中に外気を取り入れ、体に沿って空気の流れを作り出すことで、汗を蒸発させて身体を冷やしてくれます。 外気温を冷やすのではなく、汗の気化を促進させて体温と体感温度を下げるしくみなので、しっかりと冷却効果を感じられるでしょう。着用した人だけをピンポイントに冷やすため、工場内や室内はもちろん、屋外作業などエアコンが使用できないような環境でも使用が可能。 価格もリーズナブルなので、費用を抑えて熱中症対策を行いたい現場、または、屋外での熱中症対策をお考えの現場などにおすすめです。
適用温度の目安 | 約25~40℃ |
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持続時間 | 最長8時間(保水量次第) |
対応範囲 | 小空間(個人) |
氷水式ウェアとは、作業着本体に張り巡らせたチューブに、氷で冷却された水を循環させるウェアのことです。リュック内のタンクに水と氷を入れて、電源を入れるだけで、冷水がウェア内を循環し、効率的に身体を冷やしてくれます。 外気温に左右されず、氷水の冷たさでしっかりと冷却してくれるため、外気を取り込めない高温の場所や、ウイルスや粉塵の危険性がある状況などでも効果を実感できるでしょう。 こちらのページでは、氷水式ウェアのメリット・デメリットや、主な製品などをご紹介しているので、酷暑環境での熱中症対策にお悩みの方も、ぜひ参考にしてください。
暑さ対策を行う前提として、対策をしたい現場の暑熱状況(作業環境(WBGT、温度、湿度等)・作業条件(作業内容)・作業者条件(コンディション、年齢、既往歴等))をしっかりと把握する必要があります。
そのうえで、現場の条件に最適な対策アイテム・ウェアを選択することが重要です。
一つ例を挙げると、ファン付きウェアは、比較的安価で導入しやすく、一定の効果があることから広く普及しておりますが、湿度が非常に高い現場、周囲温度が体温に近いか、それ以上の現場では、気化による冷却効果が期待できず、かえって不快感が増す恐れがあります。また、粉塵が激しく舞うような現場での作業でも、気流や風による冷却は不適切です。
このように、それぞれの対策デバイスの特長をよく理解し、現場に最適なアイテムかを確認する必要があります。
暑さ対策は実際の作業現場に合った対策を行うことが大変重要です。作業者を直接冷却する「暑さ対策ウェア」は、様々な冷却方法、装着方法が開発されており、大変効果的なデバイスではありますが、残念ながら、それ一つだけですべての暑熱環境を解決できるというものはまだ世の中にありません。
ファン付きウェアは、高温多湿、粉塵環境、気流が使えない環境の現場には不適切です。保冷材式冷却ウェアは、高温多湿下、粉塵環境で使用できますが、保冷材の持続時間や保冷材交換の手間を考慮しなければなりません。水冷式はチラー式であれば、作業者の作業性、作業範囲をよく確かめる必要があります。
高温多湿で、粉塵も多く、作業者が広範囲に移動し、かつ長時間作業を連続するような現場では、どのような冷却ウェアであっても、それだけで暑熱対策をすぐに満足させられるようなアイテムはまだないでしょう。対策ウェアだけでなく、様々な方法を組み合わせて総合的な暑熱対策をしなければなりません。
作業現場は千差万別で、場合によっては、当面「暑熱対策ウェア」だけで対応しなければならないケースというのもあるかもしれません。
まず、重要なことは、対策したい現場の暑熱状況、作業内容、作業環境、作業者状況を把握するということです。
そのうえで、現場の条件に最も適した方式の対策ウェアを採用する必要があります。そのためには、それぞれの冷却方式について、その冷却メカニズムを理解しなければなりません。せっかくデバイスを選んでも、実際の現場がそのデバイスに不適切な環境であれば、効果的な暑熱対策は望めません。
また、ウェア以外の対策デバイスが使えないにもかかわらず、ウェアデバイスだけでは十分な対策が難しい場合には、作業内容を工夫したり、休憩時間を増やしたり、冷房のある休憩室を設置するといったことや、就業前健康状態を把握し、従業員一人一人の健康管理を強化するなど、総合的に熱中症発症リスクを抑えていく必要があります。
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。
熱中症対策ウェアの
疑問を聞いてみた
インストラクター
健康管理士一般指導員
<資格番号H-301775>
(株式会社鎌倉製作所COOLEX事業部)
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