工場の暑さ対策は、空調など設備による対策だけでなく、個人の対策を組み合わせるのがおすすめです。ここでは、個人でもできる暑さ対策を3つご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
工場でできる熱中症対策は、大きく「工場で行う設備対策」と「個人で行う対策」の2つに分けられます。個人で行う対策として、まずご紹介するのが、「身体の順化」です。「順化」とは、身体を暑さに慣れさせること。暑さに慣れていないと体温調整がうまくできず、熱中症になる危険性が高まりますが、順化がすすめば、発汗量や皮膚血流量が増加する上、身体からうまく熱を逃がせるようになります。
方法としては、日頃から運動や入浴をして汗をかき、体を暑さに慣れさせることが有効です。個人差もありますが、順化には数日から2週間程度かかるため、本格的な暑さを迎える前に、余裕をもって順化のための活動を行いましょう。
基本的なことですが、こまめな水分補給や健康管理も大切です。水分補給は、のどが渇く前にコップ1杯(150~200ml)程度のスポーツドリンクを摂取するのがおすすめです。ただし、一度に大量に摂取すると、体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こす可能性があるので要注意。職場としても、こまめに水分補給ができるような環境づくりを行いましょう。
また、二日酔いによる脱水や睡眠不足・栄養不足なども、熱中症の原因になり得ます。作業前日には飲酒は控え、普段からバランスの良い食事と7時間以上の十分な睡眠を取るようにしましょう。
吸水速乾や接触冷感素材を使用したインナーで体感温度を下げたり、冷却タオルを首に巻いたり、保冷剤付きベストや空調服などで衣服内部に熱がこもらないように工夫をするのも手段の一つです。
例えば、放湿性・吸汗性のあるインナーは、吸い取った汗を放出してくれるので蒸れにくく、気持ちよく作業に取り組めるでしょう。冷却タオルは、水で濡らして使うものや乾いた状態でも冷たい接触冷感タイプなどさまざまな種類があり、ニーズに合わせて選ぶことが可能です。
おすすめなのが、チラー水冷式身体冷却システムです。チラー水冷式身体冷却システムとは、モバイルチラーで作った冷水をウェア内のチューブに循環させることで、身体を効率的に冷却するシステムのこと。非常に高い冷却効果を持ち、室内への排気や排熱もないことから、酷暑現場でも確かな冷却効果を実感することができます。
空間が広く、空調が効きにくい工場内。せっかく空調を稼働させても、太陽光で暖められた屋根や壁から工場内へ熱が伝わったり、使用している機械から発生した熱で空気が暖められたりして暑さ対策がうまくいかない…とお悩みの管理者様が多いのではないでしょうか。
熱中症対策を行う際は、工場内の室温をコントロールするだけでなく、個人の対策を組み合わせることがおすすめ。室温の感じ方は人それぞれ違うため、個人での対策を行うことで、みんなが快適に作業をすることができるでしょう。 こちらのページでは、工場ごとの熱中症対策や、実際に導入された対策の事例を紹介しています。熱中症対策でお困りの方は、ぜひチェックしてみてください。
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。