電子機器製造を行う工場では、作業員は発塵を抑える防汚加工や帯電防止効果のある制電加工が施された作業服を着用するのが一般的です。チリやほこりの侵入を防ぐために、防止や手袋、マスクを着用するケースもあるでしょう。
工場内は直射日光の影響は少ないものの、発塵を防ぐために密閉された空間のため、風通しは良くありません。
暑さ対策をしようにも、チリやほこり、水分が巻き上がると製品の品質に影響を与えるため、大型の扇風機やミストを散布する空冷装置も製造エリア外など限定的にしか使えないのが実情です。また、ファン付きの空調服も発塵の可能性があり、製造する電子機器によっては導入が難しい場合もあります。
こうした状況を踏まえ、電子機器や精密機械の工場で熱中症を予防するためには、こまめに休憩時間を取ったり作業員の体調管理を徹底したり、風が発生しない空調設備を導入したりするなどの対策が求められます。
主な熱中症対策の中で、上記のような課題を抱える電子機器製造に向いている設備やウェアはどれなのか、リサーチしてみました。
種類 | 冷却効果 | 電子機器製造に向きor不向き? | |
設備 |
全体空調・大型エアコン |
20~45℃ |
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ゾーン空調 |
20~45℃ |
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スポットクーラー |
25~55℃ |
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ミストファン |
20~40℃ |
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冷風扇・冷風機 |
20~40℃ |
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チラー水冷式身体冷却システム |
25~55℃ |
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ウェア |
保冷材・ドライアイス付きウェア |
20~55℃ |
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ファン付き作業服 |
20~40℃ |
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氷水式ウェア |
20~40℃ |
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電子機器の製造現場ではチリやほこりの侵入を防ぐために、作業時には帯電加工された作業服や防塵マスクが必須です。エアコンなどの空調が整っていない現場では1時間も作業を行うと全身汗だくで、さらに汗が落ちないように配慮しながら作業しなくてはなりません。
そんな電子機器製造の現場における熱中症対策でおすすめなのが、チラー水冷式身体冷却システムです。 チラーで作った冷水をウェア内のチューブに循環させることで、作業者個人をピンポイントに冷やすことができます。送風もない上、バッテリーの残量や保冷剤の温度を気にせず長時間使用することが可能。膨らむこともないので、スムーズに作業を行うことができるでしょう。
電子機器・精密機器メーカーで実際に熱中症対策に成功した例をピックアップしました。ここでは、チラー水冷式身体冷却システムを導入しているヤマト科学株式会社の事例を一部ご紹介します。
作業場が炉に近く、夏場のブース内温度は50℃近くまで上昇する現場での事例です。風の影響を防ぐためにスポットクーラーは作業スペースから離れた場所にしか設置できず、しかも工場自体の温度が高いため効果が限定的でした。自社で冷水器(チラー)の生産は行っていたものの、ウェアの開発にはコストがかかるため、チラー水冷式身体冷却システムを購入することにしました。導入の結果、従業員からの評判は上々で、作業服の上からCOOLEXを着用し、その上から防護服を着ても冷却効果を十分に感じられるとの声が聞かれています。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/ヤマト科学株式会社-様/)
引用元:鎌倉製作所【公式】YOUTUBE
(https://www.youtube.com/watch?v=E-qiC7LbQHM)
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~10人(※1台あたり) |
作業範囲 | 50~70m |
適用温度 | 10~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 制限無し |
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径10~20m |
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径4~8m |
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。