自動車製造を行っている工場や作業場では、製造している部品や加工内容によって様々な状況や作業条件が考えられます。例えば板金加工や溶接加工を主として行っている作業場の場合、金属を切断する際に発生する熱や、溶接加工による熱など直接的に温度上昇へ影響する要素が発生するでしょう。
一方、自動車の塗装を行うような作業の場合、ゴミやホコリが混入しないよう密閉空間で作業しなければならず、さらに人体に有害な塗料を吸引しないよう作業員は分厚いマスクや作業衣を着用しなければなりません。
また、メーカーの下請け工場などを営んでいる中小零細企業の中には空調管理コストをカットして経費削減を行っているケースも考えられます。
とはいえ、いずれにしても自動車製造に関わる作業場や事業場は室温が上昇しやすく、季節によっては40度以上の室内環境で長時間の作業に従事するといった場合も考えられます。そのため、適切な熱中症対策を行わなければ深刻な労災事故につながってしまう恐れも増大するでしょう。
主な熱中症対策の中で、上記のような課題を抱える自動車製造に向いている設備やウェアはどれなのか、リサーチしてみました。
種類 | 冷却効果 | 自動車製造に向きor不向き? | |
設備 |
全体空調・大型エアコン |
20~45℃ |
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ゾーン空調 |
20~45℃ |
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スポットクーラー |
25~55℃ |
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ミストファン |
20~40℃ |
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冷風扇・冷風機 |
20~40℃ |
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チラー水冷式身体冷却システム |
25~55℃ |
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ウェア |
保冷材・ドライアイス付きウェア |
20~55℃ |
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ファン付き作業服 |
20~40℃ |
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氷水式ウェア |
20~40℃ |
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自動車製造の現場では、作業工程によって作業員が従事する作業内容や服装が大きく異なります。大きな金属板などを板金・溶接加工するような場合、加工熱によって作業現場付近の温度が上昇し、あるいは塗装作業では塗装ブースのような密閉空間で分厚い塗装服を着用しなければなりません。また状況によっては無風状態が必要になることもあるでしょう。
そのためゾーン空調などで適切に温度管理することも有効ですが、導入のしやすさや作業員の自由度、応用性を総合的に考慮するとチラー水冷式身体冷却システムの採用がおすすめと言えそうです。
自動車製造を行っている富士車輌株式会社では、塗装前のブラスト作業中に防塵状態になっている作業員が発熱で苦しんだり、タンクの溶接加工による放熱によって作業場が暑くなったりという課題を抱えていました。そんな時に他社から紹介されてCOOLEXを導入され、コスト面での交渉の結果、本格的な導入検討を行ったそうです。そしてデモを試したところ冷却効果を確認できて、作業との相性が良いという事実も確かめられました。
結果的に作業員の労働環境が改善され、個々の作業時間も長く維持できるようになり全体の生産性も向上しました。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/富士車輌株式会社様 /)
自動車製造の中でも大型タイヤの製造を行っている日本ジャイアントタイヤ株式会社では、タイヤ加工の作業の1工程として表面温度100度を超えるタイヤ金型の清掃作業があり、その作業に従事する作業員にとっては非常に過酷な作業環境が発生していました。また熱中症対策として送風機や保冷剤ベストなども考慮しましたが、結局は様々な理由からデメリットが増大されて断念していたそうです。
そのような状況でCOOLEXをテスト導入したところ、実際に作業を担当している作業員からの好意的な感想を得られたことで、具体的なメリットを確かめられ正式導入を決めたそうです。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/日本ジャイアントタイヤ株式会社-様-(goodyearグループ/)
加工場の搬送作業でフォークリフトを扱うコマツ大阪工場では、屋内外を行き来することも多く、特に夏場の炎天下では熱中リスクが増大していました。そのためフォークリフトへのミストファン導入といった対策を講じたものの、今度は走行中に風の影響で安全性が損なわれるといった課題が発生していたそうです。
そのような中、フォークリフトから電源供給できるチラー水冷式身体冷却システムを導入したところ作業員の満足度が向上し、またバッテリー上がりといった問題も杞憂に落ち着いたそうです。
参照元:鎌倉製作所COOLEX公式HP
(https://coolex.jp/case/コマツ大阪工場-様/)
引用元:鎌倉製作所【公式】YOUTUBE
(https://www.youtube.com/watch?v=E-qiC7LbQHM)
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~10人(※1台あたり) |
作業範囲 | 50~70m |
適用温度 | 10~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 制限無し |
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径10~20m |
適用温度 | 25~50℃ |
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使用人数 | 1~2人 |
作業範囲 | 半径4~8m |
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。